INTERVIEWわたしのセルフメディケーション

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「人と人との繋ぎ手となって文化の入口をつくる」

生活に気軽に取り入れられる美味しい国産薬草茶をつくり、人々の健やかな暮らしと地域産業、医療の課題解決を図るプロジェクト{tabel}を主宰する新田理恵さんに、これからの食と暮らしへの想いを聞きました。

気仙沼で高校生と商品企画をするなど、{tabel}以外にも食に関する活動を様々されていますね。

 食べることって多くの人が自分事として動けますよね。みんな毎日ご飯を食べるし、誰でも作れる。各地域で特色があるし、そこから自分たちの町の良さに気付けることもあり、食という切り口は地域を活性化させる一歩目として良いんです。 
 気仙沼では、i.clubという高校生にイノベーションを教える活動で、商品企画のフードアドバイザーとして参加しています。震災復興を目的として始まったプロジェクトですが、高校生たちが地元の魅力に気付いたり、世代間交流を生みだす取り組みでもある。実際にこの活動をきっかけに、地元の食品会社の商品企画部へ就職した子も出てきました。食の面白さ、大事さに気付いてもらえるよう心掛けていたのでとても嬉しかったです。

今後{tabel}をどんなプロジェクトにしていきたいですか?

 今、薬草が苦そう、よく分からない、古臭い……とあまり印象が良くないことが勿体ないんです。薬草は科学的に見て身体に良いことを伝え、例えばハーブのように素敵で生活に取り入れやすいものにしたい。それが、栄養学と薬膳を両方学んできた私が出来ることだと思っています。
 あとは、ローカルで頑張っている素敵な人たちを応援しやすい状況を作りたいですね。薬草を作る同業者の繋がりを生みだしたり、薬草に興味を持った人がどこへ行き、誰を尋ねたらいいかわかる日本地図を作ったり……。薬草文化の入口に{tabel}がなれたらと思うんです。
 今も全国で、薬草工場の廃業や、摘み手の方々の高齢化など様々な問題を目の当たりにします。文化自体が失われるのではないかという強烈な危機感から、きちんと記録と継承をしたいという想いがどんどん強くなっています。一つの事業として{tabel}を捉えるのではなく、行政や色々な会社を巻き込んで、一緒に日本の薬草文化を再考していきたいですね。

Text_Megumi Murayama(Japan Life Design Systems)
Photo_Demon Pictures co.,ltd.
Life Design Journal vol.6 2015年10月15日号掲載記事より転載

PROFILE

{tabel}代表 食卓研究家

新田 理恵さん

1984年 大阪生まれ。武庫川女子大学食物栄養学科卒業後、フードコーディネーターとしてE•recipeに就職。現場で写真家から撮影を習ったのが昂じて、写真表現大学総合科に入学。その後、薬膳に目覚めて国際中医薬膳調理師資格を取得し、食卓研究家として独立する。2014年、日本の薬草やローカルの魅力を伝えるコミュニティ{tabel}を始動。http://tab-el.com/

編集後記

取材中印象的だったのは「薬草文化の再考はひとりではできない、みんなに当事者になってほしい」という新田さんの言葉。全国を飛び回り、薬草のリサーチや新商品の開発、ワークショップでのレクチャーなど、沢山の人々と関わりながら新たなムーブメントをつくろうとする姿勢がとても眩しく映りました。

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