INTERVIEWわたしのセルフメディケーション

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「わかりやすさと話題性で『お酒ケア』をテーマに」

“飲む人”のための新しいサプリメントが登場しました。キユーピーが発売する「よ・い・と・き」は、アルコールをお酢に変える酢酸菌酵素を活用しており、大量生産が世界で初めて実現されてできたものです。その推進役となった研究者の奥山さんに、開発に至る熱い思いと夢をお聞きしました。

酢酸菌酵素について教えてください

酢酸菌酵素は、もともと「にごり酢」に含まれている成分で、アルコール脱水素酵素とアルデヒド脱水素酵素の2つの酵素からなります。にごり酢というのは、古来より使われているろ過する前の状態のお酢のことです。

この酢酸菌酵素を持つ酢酸菌は、アルコールをお酢に変える菌の総称で、お酢を作るときになくてはならないものです。

地球上には、微生物が40万種以上いるといわれていますが、人が食品として活用しているのは10種もありません。そのひとつが酢酸菌です。
酢酸菌が長い生命の歴史の中で自然淘汰されず生き残ってこられたのは、外部の刺激に対して強烈に反応する酵素(酢酸菌酵素)を保持して、他の細菌が住めないアルコールの中でも生き延びられたからと言われています。

研究を始めたきっかけは何ですか?

そもそもこの研究を始めようと思ったのは、アルコールを体内で別のものに変えられないかと考えたのがきっかけです。
キユーピーグループには、数十種類以上の酢酸菌コレクションを持つ国内大手の醸造酢メーカー「キユーピー醸造」という会社があります。その製造工程において、お酢を濁らせる酢酸菌は、異物と間違えられるという理由からお酢の発酵後にろ過して捨てられていました。その捨てられている酢酸菌が持つアルコールをお酢に変える酵素のパワーに注目したのです。

製品化した「よ・い・と・き」には、アルコールをお酢に変換する酢酸菌酵素を配合しています。現状、他に類似のものはなく、稀有な商品といえます。クスリではないので、効く、効かないという表現はできませんが、社内サンプリングの段階では、概ね前向きな声をいただいています。

奥山さんが開発した「よ・い・と・き」。アルコールをお酢に変換する酢酸菌酵素が配合されている。

「お酒ケア」ビジネスに結びつけたのは?

知的財産室に所属していた時に特許出願を担当するなかで、新ビジネスになりそうな素材や技術に注目していました。もともと発酵技術に関する特許に興味があったので、自分なりに勉強していました。

他社が、何を基準に新しい健康素材を探すのかと調べてみたら、例えばカゴメはトマト、サントリーはポリフェノールといった感じで、各社とも自社の強みをうまく利用していたのです。ならば当社は卵や野菜、お酢だろうと考えて、関連資料を集中的に読んでいました。そうした中で、酢酸菌酵素に巡り合いました。

酢酸菌酵素を用いたいろいろなビジネスアイデアを練ってみたのですが、誰にもわかりやすく、話題にもなり、かつ盛り上がれるものでと考えました。また、既存の生産設備やノウハウを活かせるほうがよい。そうしたことから、「お酒ケア」に絞り込みました。

PROFILE

キユーピー株式会社 研究開発本部商品開発研究所

奥山 洋平さん

おくやま・ようへい 1976年生まれ。東京工業大学で微生物によるインディゴ染料の生産、その後、東京大学大学院で遺伝子組換えによる鑑賞花の改良などを研究。2001年キユーピー研究所入社後もドレッシング開発、乳酸菌発酵卵白の立上げなどに従事した。08年に知的財産室に異動、13年に社内公募制度 第1回「Try!Kewpie」にビジネスモデル案を応募し、大賞を受賞した。

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