TOPICS

SHARE

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

「シニアも子供も足の健康大切に!」

いつまでも健康に過ごすには足の機能を維持することが重要。そして、それを地域で継続させるための情報拠点としてドラッグストアや薬局などの存在もカギとなる。杉浦記念財団が実施する健康長寿の研究会であらためてそうした提案がありました。

「効果的なフットケアをすることで、歩行機能改善や身体活動の向上につながり、結果的に健康になる」。このほど名古屋市内で開催された「健康寿命延伸と介護予防を考える会」(主宰:杉浦記念財団)において、東京医療保健大学医療保健学部教授の山下和彦先生が、健康寿命を延ばすための足の機能向上をテーマに講演しました。

高齢社会が進むなかで、「膝関節症や転倒による骨折が増えていますが、要因としては、足の筋力の低下、歩行・バランス機能の低下が上位にあります。中高年の健康寿命を延ばすには、いつまでも元気に歩けることが重要」とし、そのためには、「まず足や足爪のケアが基本。これについては、高齢者の6割以上に異常がみられるものの、現状その治療は十分ではない」と述べました。転倒の理由も、歳を取ったからというよりも、足や爪の病気などが原因のひとつという見方もあるとのことです。

「足圧(地面に接する足の圧力)がビジュアル化された画像データをみると、長寿者は概してバランスが取れておりきれいです」と、長寿と足の機能の関係を目に見える形で示しました。

多くの子供にも外反母趾の傾向が

もう1点、注目すべきは昨今、足の異常が子供たちにも及んでいる点でした。山下先生は「小学6年生の4割に外反母趾の状態がみられる」と指摘します。高齢者にとどまらず、子供の発達にも関わる問題として捉えるべきことのようです。

では、こうした課題をどう解決すればよいでしょうか。「知識の提供はもとより、本人や家族等によるセルフケア、そして重度の人にはフットケアワーカーなどの専門職が必要です。キーパーソンの育成と技術向上、医療連携など、地域包括での対策が大切」と山下先生は話します。

そのために、健康情報マネジメント拠点、つまり情報発信と教育によるヘルスリテラシー向上を図る場として、薬局への期待が高まっているといいます。

「薬局やドラッグストアに、転倒予防や歩行機能向上、発達支援のための計測拠点をおき、薬剤師などの専門家が地域の健康と医療・保健をつなぐべき」「楽しく快適に歩けることが慢性疾患や関節疾患、認知症の予防や改善につながり、社会参加を楽しくします」。

またこの問題に取り組む事例として、埼玉県志木市のケースを挙げながら、「情報の取得にICTを有効活用することでデータの意味や信ぴょう性も高まります」と、課題解決の方向性についても述べました。

健康寿命延伸のあり方を議論

この研究会は、公益財団法人 杉浦記念財団(杉浦昭子理事長)が今年9月に発足させたもので、今回が2回目の開催。政府が主導する「第2次健康日本21」の掲げる「健康寿命の延伸」について具体的なあり方を研究するのがねらい。1、介護予防を必要とする状態にかかわる概念や指標の整理、2、介護予防施策における予防効果のエビデンスの確立と普及、3、健康寿命延伸・介護予防の具体的対策における標準プロトコルの提言、を主なテーマにしています。

座長は、桜美林大学老年学総合研究所所長で国立長寿医療研究センター理事長特任補佐の鈴木隆雄先生が務め、千葉大学予防医学センター教授で国立長寿医療研究センター老年学・社会科学研究センター部長の近藤克則先生がアドバイザーを担います。東海地方を中心とする自治体や大学・研究機関などで活動する40人近い専門職が積極的に議論する場となっています。

SHARE

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

FACEBOOK